language お問い合せ
HOME トピックス朝鮮半島と日本列島の使命悠久の河-和の文化を創造世界の平和と水の偉人イベント出版物研究所の歴史アーカイブス電子書籍


1.正義から「和譲」、そして和へ(小松昭夫)  [PDF:1.5MB]
2.朝鮮半島と日本列島の使命(小松昭夫)  [PDF:5.1MB]
3.和譲 京都会談 朝鮮半島と日本列島の使命  [PDF:5.5MB]
4.インタビュー 日本出雲から未来を拓く  [PDF:3.9MB]
5.大韓民国 月刊「市民時代」小松昭夫理事長インタビュー  [PDF:5.5MB]
6.「和の文化を生み出す」HNSプロジェクト構想
 ズットナーゆかりの古城(ウィーン郊外)訪問の新聞記事  [PDF:2.0MB]

7.安重根義士殉国104周期追悼及び、国際交流会晩餐会の挨拶  [PDF:1.0MB]
8.ズットナー女史没後100週年を迎えて  [PDF:1.4MB]
9.周藤彌兵衛翁の物語 悠久の河  [PDF:1.6MB]
10.八雲立つ「出雲から陽が昇る」  [PDF:1.0MB]
11.和して同ぜず 人間の正しい道(孟白)  [PDF:1.7MB]
12.「和譲」思想:東洋文化の核心(張可喜)  [PDF:1.5MB]
13.会社案内  [PDF:3.7MB]

参考資料
14.旧満州の大地に眠る20満の遺骨  [PDF:200KB]
15.日本政府への手紙  [PDF:1.0MB]
16.朝鮮・日本軍「慰安婦」および強制連行被害者問題対策委員会委員長の報告  [PDF:2.4MB]
17.日朝平壌宣言  [PDF:600KB]
18.ラフカディオ・ハーン著作集第5巻 神戸クロニクル論説集より  [PDF:6.3MB]
19.ラフカディオ・ハーンと「開かれた精神」(小泉凡)  [PDF:600KB]
20.年表  [PDF:7.1MB]
21.あとがき  [PDF:1.6MB]

正義から「和譲」、そして和へ

 東西冷戦の終結後、米露中3大核兵器国の固定化、核拡散、情報通信の驚異的な発達、そして金融秩序の動揺に起因するG8の行き詰まりとG20の枠組みづくりが進められてきましたが、いまだ展望が開けない状況が続いています。

 領土問題に端を発した島根県の「竹島の日」制定が遠因となり、韓国強制併合100年の節目の年である2010年、米国との沖縄普天間基地移設協議の混乱をきっかけに、尖閣諸島、北方領土問題が重なり、朝鮮半島と日本を取り巻く環境は激動期に入った観があります。

 一方、2010年8月に来日したハーバード大学のマイケル・サンデン(Michael J. Sandel)教授が、41年前に全共闘の学生が立てこもった東大安田講堂で、「正義とは何か」と問いかけたことがNHKテレビの「ハーバード白熱教室」や各全国紙で大きく紹介され、出版された講義録が書店で平積みになるなど、世界のあり方を問い直すさまざまな社会現象も起こっています。

 2011年が人類崩壊の入口か、それとも新たな発展の入口になるのか、各大国である中国・露国・米国の結節点に位置し、先端技術で世界に大きな影響力をもつ日本国、大韓民国、そして主体思想と先軍体制の下で核開発を進める朝鮮民主主義人民共和国の3カ国の動向は、その鍵を握っているといえます。

 韓国・朝鮮・中国は、1948年~1949年、激化しつつあった東西冷戦構造の真っ只中で、「反日・愛国」の旗の下に生まれた国々です。これらの国々を隣国にもつ私たち日本人は、いまこそ、100年の長きにわたって苦労された在日韓国・朝鮮の方々と、世界に先駆けて和を生み出すため、戦後・戦中・戦前の3つの責任に分け、世界史・人類史のしやで、いまなすべきことをテーマに話し合いを始めるときです。現在人類が直面している混沌は、ある意味では、輝かしい未来を生み出すために通らなければならない必然であり、いま私たちには、知恵と勇気と行動が問われています。この機を逸すれば、この地を覆う困難はますます重篤化し、事態は中国、露国、米国を巻き込んだ人類史上例のない深刻な局面へと発展しかねません。

 大韓民国・中華人民共和国・アメリカ合衆国・ロシア連邦を始めとする国々への20年間にわたる歴訪は、和の生まれる前提条件を整える期間であったともいえます。時代と地の利、人の縁を得て、いま行動の時を迎えたと確信しています。

 人類は、狂牛病・鳥インフルエンザ・SARSなどの微生物の脅威にもさらされています。その一方、新たな可能性を拓く微生物の発見や藻類に関する新しい知見、情報通信技術の目覚ましい発達と普及は、大韓民国と朝鮮民主主義人民共和国の人々とともに、先端科学・技術と発酵食文化の発達した朝鮮半島と日本列島を「恒久平和地帯」とし、人類喫緊の課題である環境と健康問題についての議論と研究を興し、世界「和」文化の発祥の地とすることです。この地域に大きな影響力を持つ米国・中国・露国だけでなく、世界の人々の共感を得ることができ、必要な資金や人の流れが自然に形成され、ここから人類の新たなフロンティアが拓けることは間違いありません。

 正義から「和譲」へ、そして和の時代への歩みがここから始まります。大韓民国で国民的な敬意を集めている安重根義士の100年前の言葉「人類社会代表重任」が、いま、私たちに問いかけています。

 本書は研究所の講演、座談会、論文、インタビューと、2009年2月22日「竹島の日」に島根県松江市で650人が参加して開催された「混迷の時代 出雲から陽が昇る」講演会・シンポジウムで、安重根義士のドキュメント映像を見ていただいた後に発表いただきました、新華社通信の日本九三学社中央委員会委員の孟白・学苑出版社社長兼編集長のスピーチを掲載させていただきました。

 また、図書新聞(2010年12月4日付)にけいしあされた李修京・東京芸術大学准教授のインタビュー「血と苦痛の涙で溢れる暗い未来を作らぬために」(証言/日本の「韓国併合」100年を掘り起こす シリーズ第9回)を掲載させていただきました。

 さらに温故知新の視点から、日清戦争前後に小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)が神戸クロニクル紙に寄せた論説と、小泉八雲の曾孫である小泉凡様からいただいた所感を掲載させていただきました。

 読者の皆様の感想、反論、積極的な提言を心よりお待ちしています。

 ご協力いただいた、安斎育郎・立命館大学国際平和ミュージアム名誉館長、卞宰洙・朝鮮民主主義人民共和国教授、具末謨氏、西村克己・日刊工業出版プロジェクション部長、趙成斗・新社会共同善運動連合事務総長、韓国の月刊誌「市民時代」の徐世旭編集長、戸塚悦朗・元龍谷大学教授、金祐赫・檀國大学校名誉教授、金容雲・韓国数学文化研究所長、原幹雄・報広社社長と昌子泰久・松江支社長に、厚く御礼を申し上げます。渡邉邦昭・ウィンワークス社長には米国からみた日本を考える上で大きな示唆を賜りました。

 李修京・東京芸術大学准教授と、図書新聞編集部の立原省一様には、インタビュー記事の再録をご快諾いただきました。朴井愚朝鮮人総聯合会鳥取県本部委員長と、加藤和徳日朝友好鳥取県有志会代表には、掲載しました手紙と報告の翻訳及び、朝鮮対外文化連絡協会を通じ同国の掲載許可を仲介いただきました。感謝申し上げます。

 最後になりましたが、小泉八雲論説の収録をご承諾いただいた高橋良一・恒文社編集出版部長、小泉八雲の翻訳者、故・佐藤和夫氏夫人の佐藤敦子様には、大変お世話になりました。心より感謝申し上げます。巻末の恒文社発行の「ラフカディオ・ハーン著作集」の広告を掲載しましたので、ご参照ください。


一般財団法人人間自然科学研究所理事長 小松昭夫

朝鮮半島と日本列島の使命


人類史上、未曾有の大変動

 2010年は庚寅かのえとらです。中国古典「周易」は大人虎変、君子豹変、更新刷新を意味する年といっています。寅年は歴史を振り返ってみても、大きな社会変動のあった年として知られています。

 60年前の庚寅には朝鮮戦争が勃発、アメリカ合衆国など16カ国と大韓民国が、朝鮮民主主義人民共和国とソビエト社会主義共和国連邦、そして新しい国家体制が成立間もない中華人民共和国義勇軍と戦い、軍人123万2000人、民間人500万人の死傷者の上に、東西冷戦構造が生まれました。1991年にソビエト連邦が崩壊、東西ドイツは統一されましたが、朝鮮半島では核の脅威が現実化し、今日に至っています。

 1991年にニュービジネス大賞を受賞した縁から、国際経営者協会の新春セミナーで「日本はプラザ合意後の国政の判断ミスから、どんなリーダーが出てきても日本一国で国家を維持することは難しくなった。あとはアジアのなかにノアの方舟をつくる以外にない」と講演しました。今回の社会変動はよく100年に一度といわれますが、核拡散の時代に、人と物と情報が世界をめぐり、一国のみで生きられる国はどこにもないグローバル化した状況の中で世界同時経済危機を迎えていることを考えれば、人類の歴史始まって以来の大変化になると考えるほうが、妥当ではないでしょうか。



世界の文化はアジアに始まって、アジアに帰る

 第2次大戦において核兵器が開発され、広島、長崎への投下、敗戦、朝鮮戦争、東西冷戦とその終結を経て、今は核拡散の脅威に直面しています。アルバート・アインシュタイン博士は米ソの水爆実験と第五福竜丸の被災を受けて、1955年に哲学者バートランド・ラッセルとともに「問題は戦争によって解決されてはならない」という思想で貫かれた、「ラッセル・アインシュタイン宣言」を発表しました。

 本年、韓国併合より100年を迎えました。併合から12年を経た1922年、来日する船の中でノーベル賞受賞の知らせを受けたアインシュタイン博士は「世界は進むだけ進んで、その間、幾度も闘争は繰り返され、最後に戦いに疲れるときが来るだろう。そのとき、人類は必ず真の平和を求めて、世界的な盟主を挙げなければならないときがくるに違いない。(中略)世界の文化はアジアに始まって、アジアに帰る。それはアジアの高峰、日本に立ち戻らねばならない。われわれは神に感謝する。われわれ人類に日本という国を作っておいてくれたことを」という言葉を残しています。

 しかし、著名なジャーナリストであった小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)は日清戦争後の1895年に書いた「戦後」と題するエッセイで、こうも指摘しています。

 「戦争は終わった。未来には、まだ幾分の暗雲が低迷しているけれども、約束されているものはずいぶん大きなものがあるようである。もちろん、この上さらに雄志を伸ばして、国家永生の偉業を成し遂げるためには、そこに幾多の暗澹たる障碍が横たわっていようけれども、しかし、日本はそれに対して、なんら恐れも抱いていない。おそらく、日本の将来の危機は、実にこの途方もない、大きな自負心にあるともいえるだろう。」(『東の国から・心』平井呈一訳、恒文社発行)。

 その後、日本は、日露戦争(1904)に突き進み、韓国併合(1910)、満州事変(1931)・盧溝橋事件(1937)を経て日中戦争が泥沼化し、第2次世界大戦(1939)の勃発を機に日独伊三国同盟(1940)の締結を経て太平洋戦争(1941)に突入するに至りました。敗戦後、東西の冷戦下で朝鮮特需を契機とする高度経済成長時代には一時的には大成功したかに見えた時期もありましたが、今日では、先行きのまったく見えない状況に陥っています。日本の美を追い求める八雲の目は、100年以上前にその行く末をしっかり見通していたといえるでしょう。


太陽の國 IZUMO

 人間自然科学研究所は10年前に『太陽の國 IZUMO』という本を出版しました。古代民主主義の発祥地ギリシアでは、火は太陽から灯しました。

 島根県出雲市大社町にある出雲大社の宮司が代替わりする際は、宮司となる神官が私のふるさとの島根県松江市八雲町にある熊野大社に参詣し、境内の特別な空間で、木と人の気の昇華により生まれた火を持ち帰る「火継ぎ神事」の行事があり、次の代替わりまで一生絶やすことなく継いで行きます。また、出雲大社が一年の五穀豊穣を感謝する新嘗祭を行う際に必要な、古式のままの火起こしの道具を熊野大社から借り受ける神事「鑽火祭」があり、亀太夫神事とも言われています。

 人類は他の動物と違い、火を取りこみ、制御、進化させることで文明をつくってきました。

 火は硝石の発見によって火薬になり、ニトログリセリンと雷管の発明によって19世紀にダイナマイトがつくられ、戦争に多用されました。これにより大富豪となった発明者アルフレッド・ノーベルの遺言が、ノーベル賞の原資になっています。

 20世紀初頭の1903年に航空機が発明され、第1次世界大戦(1914−1918)に投入されました。その後の急速な発達は、重量物の長距離航空輸送を可能にし、さらなる科学技術の進歩は1938年の原子核分裂反応の実証から「究極の火」といえる核兵器を生み出し、第2次世界大戦では航空機によって広島、長崎へ人類初の原子爆弾が投下され、大被害を与えました。

 その被害が世界に広く知られたことにより、核兵器はその後一度も戦争では使われませんでした。東西冷戦が約50年続き、ソ連は崩壊し、貨幣のルーブルは紙切れになりました。それが1991年ですから19年前です。世界同時経済危機のなか、先進国中で最も財務体質が悪い国が日本です。そのような状況下、2010年度の予算編成では前例のない44兆3000億円の国債発行を閣議決定しました。このことは少子高齢化が急速に進む現状にあって、不吉な未来を暗示しているように思われます。



東アジアの現状

 1998年、韓国の金大中大統領の提案を受け、ASEAN+3首脳会議の諮問機関として発足した東アジア・ビジョングループ(EAVG)は、自由貿易地域形成などを主とする「平和・繁栄・進歩の東アジア共同体」ビジョンを2001年秋に発表しました。しかしアメリカの21世紀安全保障委員会は、1991年10月に発表した報告書で「北東アジアはもっとも大規模戦争が起こり得る地域」、「唯一、主要国がかかわる重要な領土対立が残る地域」と記しています。

 1998年10月に、インド・パキスタンの核実験(1998)とアジア通貨危機(1997−1998)を受けて、東京にある国連大学で開かれた「軍縮問題を考えるエコノミストの会」シンポジウムで、王然均韓国中央大学教授は「アジアの経済危機は第2次世界大戦および朝鮮戦争以降最悪の大惨事です。(中略)大規模な軍事支出と兵員数は高コストおよび非効率の要因であり、経済危機の重要な原因でもある」と述べています。

 G20の発足、BRICsの躍進と多極化が進み、朝鮮の核保有宣言によって東アジアにおける核拡散が現実となり、アジアを軸にした世界的な緊張はさらに増しているといえます。



自然状態は、むしろ戦争状態である

 18世紀のドイツの哲学者イマニュエル・カントは『永遠平和のために』(宇都宮芳明訳・岩波文庫)の中で、こう述べています。「一緒に生活する人間の間の平和状態は、なんら自然状態ではない。自然状態は、むしろ戦争状態である。言いかえれば、たとえ敵対行為が常に生じている状態ではないにしても、敵対行為によって絶えず脅かされている状態である。それゆえ、平和状態は、創設されなければならない。」

 およそ200年前のカントの、平和は意志的に創出されなければならないというこの言葉は、今を生きる私たちの胸に強く響いてきます。

 世界で唯一、学内に平和ミュージアムを創った安斎育郎立命館大学教授(国際平和ミュージアム名誉館長)は、2008年3月に当研究所が開いた座談会でこう述べています。

 「現代平和学における平和の概念は、戦争の対置概念ではなく暴力の対置概念と広く理解されてきております。人間の能力が100%花開くのを阻んでいる原因、これをすべて平和学では暴力と言います。平和とは暴力のない状態であり、その暴力には三つの類型があって、戦争のような直接的暴力のほかに、社会の構造に根ざした構造的暴力、そしてそれらの暴力を助長したり正当化する文化的暴力、この三つを無くしていく方向こそが、いま、目指されています。」

 日本国内の自殺者は警察庁統計によると1998年より10年連続で年間3万人を超えており、これに自殺と断定できないまでも強いストレスなどを背景に死因不明なままで死を迎えた方々などを鑑みると、毎年一都市の人口に匹敵する人が非業の死を遂げています。2003年5月〜2009年6月の間に戦乱の地イラクで命を落とした市民は8万〜9万人と見られていますが、同じ6年の間に日本で自殺した人の数は19万7000人に達しています。すでに「平和ではない」状態に入っているといえます。「無縁社会」は、都市と地方の対立、世代・親子間対立の激化を招き、国家、自治体、企業、家庭などあらゆる組織を構成する「信」を崩壊させます。

 こうした内部崩壊が始まると、為政者は国外に対立をつくり、戦争に導くことによって既得権益を維持拡大させ、相手国民と自国の大衆を犠牲に社会秩序の再構築をしてきました。たとえ戦災により人口が半分になっても、勝敗にかかわらず、戦争で生まれた部分的ながら強固な「信」をもとに、もう一度やり直す。カントは国内が「平和ではない」状態に至ると外部に敵をつくり、対立を生むことによって内部の結束を図る戦争のサイクルを、見事に言い当てているといえます。

 しかし核拡散と複雑に入りこんだ経済・金融の依存関係により、このサイクルが機能しなくなり、世界規模で閉塞感が広がり、ある意味では社会主義との対立によって発展してきた文明が、行き詰まっています。



朝鮮半島と日本列島を核の空白地帯に

 新たな繁栄の時代に入るためには現代平和学における3要素を踏まえたパラダイムシフトを必要としています。それは、人類の特性から考察した「人間の定義」から始まります。核拡散の時代の平和は、「政府に創ってもらうもの」から、「すべての人が一緒になってつくるもの」へ変わりました。その分水嶺が2010年です。

 「飢餓と殺戮のない社会の創造」という切迫した目標に向けては、人類は結束できます。衣食住が足った後の社会で、究極の目的といえる「楽しくゆかいに、持続的に生きられる地球社会の創造」に向けては、多様な価値観を含むため、人類はバラバラになってしまいます。

 ひとつの文明が終わるとき、それまで起こらなかった大きな問題が生じます。その大きな問題は、それまでの延長線上に解決策を見出すことはできません。新たな思考の枠組みによる、新たな文化の創造、すなわち近代軍隊の誕生から始まったといわれる教育に代表される洗脳の文化から、覚醒の文化へのパラダイムシフトによってしか克服できないのです。

 「楽しくゆかいに、持続的に生きられる地球社会の創造」という目的に収斂させるには、科学・技術の到達水準がカギになります。

 その理由はまず、核兵器と、その運搬手段の発達によって、いわゆる「全面戦争」「総力戦」が不可能な状態になったこと。二つ目がITと物流の発達による世界的なコミュニケーションが可能となり、それによって諸事象の検証、会話が可能になったこと。三つ目は、広島・長崎の原爆被害や核実験などの被害についての認識が広がり、核拡散の危険が現実の問題となったことです。

 この3つの要素を目の当たりにしている今こそ、人類は、核削減のプロセスから、「楽しくゆかいに、持続的に生きられる地球社会の創造」という目的に限りなく近づく、人類史上初めての黄金の時代環境が整いつつあるのです。そして、朝鮮半島と日本列島こそがそのコア(核)となるものと確信します。

 核削減のプロセスの始まりは、米国のオバマ大統領が2009年4月にチェコのプラハでの演説で「核兵器を使用した唯一の核保有国」としての道義的責任に触れ、9月の国連安保理において「核兵器のない世界を目指す」全会一致の決議を行ったことです。核兵器廃絶決議は核兵器のない「結果」に重点をおくのに対して、今回のこの決議は廃絶に向かう過程に重点をおいています。

 この決議を現実化させるのは、「究極の火」で武装した核大国(中国・露国・米国)の結節点にあり、日本海=東海と北緯38度線(DMZ)という空間があり、韓国併合から100年、朝鮮戦争から60年という時間を経て形成された、制御された対立エネルギーが持続している朝鮮半島と日本列島しかありません。

 ここに大国間のパワーが制御された核の空白地帯ができれば、環境、生命科学の最先端の研究とインフラ整備、その実用化と普及を通じて人類の特性が開花する文化が生まれます。

 東西冷戦のさなかに趙永植慶熙大学校学園長が21世紀人類のモデルとして提唱したオウトピア、中国の和諧社会、米国のスマートパワーともあいまって、和而不同から生まれる「和譲」から、人類の新たな歴史が始まるときを迎えていると確信しています。(巻末参照)

 「君子和而不同 小人同而不和(君子和して同ぜず。小人同じて和せず)」(論語)は、「和」と「同」を峻別しています。「これから和 賢哲に学べ」(武藤信夫著)にも述べられています。 人類史に対する「戦後責任」



人類史に対する「戦後責任」

 1994年、中国の李鵬首相が、オーストラリアのジョン・ハワード首相に向かって「いまの日本の繁栄は一時的なものであだ花です。その繁栄を創ってきた世代の日本人がもうすぐこの世からいなくなりますから、20年もしたら国として存在していないのではないでしょうか。中国か韓国、あるいは朝鮮の属国にでもなっているかもしれません」という発言をしました。

 これは、まさに日本滅亡のシナリオです。隣人が、このような厳しい見方をしていることを、しっかりと認識すべきでしょう。

 ドイツのヘルムート・シュミット元首相は『シュミット外交回想録』(岩波書店)でこう述べています。

 「国民として悔悟し、悲しみ、恥じる能力に日本人が欠けていることについても同じく述べた。政治指導者の中には、日本には世界、それも特に近隣世界に友人がいない事実を自覚しているものも多い。誰でも友人を持ちたいものである。しかし、どうしたら友人が得られるかを知らない。近隣諸国の猜疑心に対して、理解を示さない。」

 また一方では、国民の責任について、1995年の広島大学における講演「追憶、悔恨、そして責任」で、こう述べています。

「日本国民もドイツ国民も、全体として罪悪や犯罪行為の罪を背負っているわけではないのです。けれども、われわれ両国民はその父親父祖の中に、ドイツ軍や日本軍によって侵略・占領された国々の領土とその諸国の数え切れない人に対して、犯罪行為をしてきたことは確かです。(中略)当然ながらポーランド国民も、今までも、犯された罪を忘れ去ってはいません、オランダ国民も忘れてはいないし、フランス国民も同様です。われわれの近隣たちの中に忘れ去った人はひとりもいないのです。世界中にいるユダヤ人もそうです。そして中国、朝鮮、フィリピンはもとより、日本のすべての近隣の人々もまた、忘れ去ってはいないのです。」

 日本、特に島根・鳥取県は飛行機でわずか1時間という距離に韓国、朝鮮があり、その国家誕生と現状に非常に大きな関わりがあります。そして2時間の距離に核大国である中国、露国という隣国がありますが、これらの国々と「真の友人」と呼べる関係になっていません。

 それどころか、日本海=東海呼称、竹島=独島、尖閣諸島、北方領土、靖国神社、歴史教科書、強制連行・強制労働、慰安婦問題など、たくさんの懸案事項を抱えています。少子高齢化のなか政治、財政、経済がますます悪化し、社会不安も懸念されるなかで、子供たちの世代に先送りするような卑劣な手段が公然と行われています。

 2008年5月の訪韓時に日本大使館前で、80歳を超えた元従軍慰安婦の方々の日本に対する抗議活動に遭遇しました。この抗議行動は毎週水曜日に行われており、900回を超えていると聞いています。その雰囲気と回数に強烈な衝撃を受けました。

 これは日韓両国家と民族の崩壊につながる本質的な問題であり、日本人はもちろんのこと、韓国人の見識と智慧と勇気が問われていると気づきました。

 人類には「生物としての命」と、他の生物にはない尊厳の命があります。彼女たちは戦争中、大変な受難によって「尊厳の命」を失いました。私たちに日本人、韓国人、人間としての自覚があれば、彼女たちの戦後の長い間の困難な尊厳の命を取り戻す活動を放置することはできなかったはずです。

 戦争責任とは、戦争を未然に防げなかった戦前責任、国際法に照らし合わせた戦時責任、そして戦後責任の3つに分類されます。

 戦争中に子どもであった世代以降は、戦前責任、戦時責任はありません。あるのは戦後責任です。戦前に作られた日本国内の鉄道、道路、港湾など社会インフラは利用するが、他国との関係から生じた怨念、恨みは先送りするということは許されません。戦後責任とは、戦争に至った経緯と背景、戦闘行為、そして現代社会の問題を調査研究し、その成果を、再び戦争を起こさないことと、恒久平和を生み出す資源として生かすことです。今を生きる私たち日本人はもちろんのこと、豊かになった韓国の方々を含めた、子孫と人類の歴史に対する使命です。



ITがもたらす権力構造の変化

 インターネットは核軍拡競争を背景に軍需技術として米国が開発しました。これが一般に開放されて現在の情報化世界に発展しました。私たちが享受しているカーナビも、もとはといえば米国の軍事技術です。情報のやりとりにほとんどコストがかからず、個人が簡単に双方向での映像通信ができるようになりました。人類の知性が急速に広がり、権力構造に大きく影響を与えるようになってきました。2003年2月の韓国の大統領、2009年1月の米国大統領は、ITが誕生させたといっても過言ではありません。

 当社は1973年の第1次オイルショックの年に誕生しました。私は2年間大阪暮らしを通じて人間学とビジネスの基本を学び、ふるさとに帰り、10万円の資金で会社を始めました。当社発展のきっかけになったのがシートシャッター「門番」です。高速道路が全国とつながり、ファクシミリの普及、工場の3K追放とバブル景気によって、全国展開するメーカーという基礎が確立しました。 

 創業から当分は10円硬貨をポケットに入れて公衆電話で連絡、営業をしていましたが、そのうちショルダーホンという携帯電話の原型が登場しました。それからあっという間に携帯にデジタル信号を載せることができるようになり、インターネット接続によって携帯がパソコンがわりになる時代になりました。パケットによる情報量従量課金の概念を導入したNTTドコモのDOPA網と、それまでの配電盤製造と上下水道計装の技術を組み合わせ、「やくも水神」ネットワークシステムをつくりました。現在、このシステムは全国5000カ所で稼動しています。

 マイクロソフトがウインドウズで世界を制覇しました。そしてヤフーの登場以後、世界連邦を意識してつくったのがグーグルの検索エンジンです。それに動画のユーチューブがでてきました。すべて20代、30代の若い人たちがつくった企業です。

 20世紀はメディアの発明とコンテンツの普及、それを使うキャラクターが、らせん状に拡大していきました。登場したばかりのラジオを急速に普及させ、映画配給体制を整備し、スポーツ・セクシー・スクリーンの3Sをコンテンツとして供給することにより大政党をつくったナチスドイツ宣伝相ゲッペルスの手法は、1992年にBBCが制作したドキュメンタリー映像作品『メディアと権力』第1部「大衆操作の天才・ゲッペルス」に詳しく取り上げられています。第2次大戦後はこれにテレビが加わり、2008年には日本国内で3兆608億円(日経広告研究所調べ)の巨費が宣伝費として投じられています。

 先に述べたとおり、ひとつの文明が終わるとき、それまで起こらなかった大きな問題が生じます。ゲーム理論を応用した金融経済が実体経済を何倍も上回り、2008年のリーマンショックを契機に失業者の増大など生活の困窮を招く事態に発展してきました。こうした問題は、それまでの延長線上に解決策を見出すことはできません。社会主義と資本主義の対立によって発展してきた社会は対立軸の喪失によって、高次元に向かう昇華か、内部崩壊かの分水嶺を迎えています。

 20世紀末に始まったインターネットの一般化は、21世紀にブロードバンド環境が整備されて爆発的に普及し、その知的インフラを整えました。グーグルとユーチューブを背景に、マスコミュニケーションから、「情報の個化」時代に移りました。こうして新たなコンセプトとコンテンツが次々と生まれる環境が整備され、人類の特性を開花させるため、時代と土地の使命を担ったハイ・キャラクター集団が登場すれば、さらに「ハイ・コンセプト、ハイ・コンテンツ、ハイ・キャラクター」の3Cの発展段階を迎え、人類共生の政治、経済、文化の時代が開けます。

 「マスから個」へ教育する時代から、「個対個」「個から全体へ」広がる覚醒の時代へ。軍隊に代表される人を大量規格品化するティーチングの文化から、学びの能力を醸成するコーチングの文化へのパラダイムシフトが、この危機をチャンスに変えます。

 核拡散とブロードバンドの進展は、世界の急速な再編を促すため、新たな国家の協力関係を早くつくらねばなりません。そのさきがけとなるのが朝鮮半島と日本列島です。そうでなければ内部崩壊が世界に伝播してしまいます。



世界人類の命運を担っている

 1988年、地域の若手経営者たちとの勉強会「知革塾」がきっかけとなり、地域交流や文化、経済交流が進化し、今日の人間自然科学研究所の活動に発展しています。

 「人の縁が広がり、未来が生まれる」をコンセプトに始められた「縁むすび世界大会」は、私が遭遇した韓国での出来事で、韓国人の日本人に対する見方を知ったことがきっかけでした。

 こうした経緯から、韓国、中国、米国、露国、東南アジア、欧州各国の戦争記念館を訪ね、献花、歴史学習活動を続けるなかで、グローバル時代に人間の尊厳欲求を満たし続ける過程は、「戦後責任を積極的に果たし、対立を発展の契機として生かすなかにのみある」という確信が生まれました。

 1992年、宮沢喜一首相の初外遊となった訪韓時、盧泰愚大統領(いずれも当時)からの技術供与要請を受け、シートシャッター「門番」を韓国に技術供与しました。そして中国、インド、東南アジアの日系企業工場建設にあわせ取り入れていただき、世界展開の布石を打つことが出来ました。

 ITを使って仮想現実と現実がシームレスでつながって管理できる、新しいシートシャッター「門番」Gシリーズと、「やくも水神」Gシリーズの完成は、社是「社業を通じて社会に喜びの輪を広げよう」と、経営理念「おもしろ、おかしく、たのしく、ゆかいに」に向かって大きく踏み出す状況になりました。

 この方向性を確かなものにするために、2008年に北京・学苑出版社に依頼して「中日韓英四カ国語による中国古典名言録」を発刊、朝鮮半島と日本列島に人類史的使命に共感した人が世界から集まり、ITによって新しい知の体系が生まれると呼びかけました。

 また、先端技術と文化の進歩によって「自分にとって持続的によいことは、相手にも持続的によいことであり、社会にとっても持続的によいことである」という理論が実現可能となる時代の入り口が、人類史上初めて到来したともいえます。



「和而不同」から生まれる「和譲」を旗印に

 「人類に向かって訴える。あなた方の人間性を心にとどめ、そしてそのほかのことを忘れよ、と。もしそれができるならば、道は新しい楽園にむかって拓けている。もしできないならば、あなたがたの前には全面的な死の危険が横たわっている。」ラッセル・アインシュタイン宣言の結びの言葉です。

 韓国政府招聘を受けて出席した2009年10月の「安重根義士による伊藤博文公射殺100年」を記念する集会で、鄭雲燐国務総理は安重根義士の絶筆「東洋平和論」中の「合成惜敗、万古定理(合わされば成功し分裂すれば負ける)」を引き合いに、東洋平和と人類繁栄の精神は、世界の模範となっていると話しました。また安重根義士は「人類社会代表重任」という書を残しています。

 この「人類という視点」に立ち、朝鮮半島と日本列島の間に広がる日本海=東海を「中海」に名称変更し、独島=竹島を新たな人類文化の発祥の地として拠点化することで、新しい道筋が見えてくると考えています。

 日本人は第2次大戦の敗戦国であるにも関わらず、関係国と多くの怨念を維持しながら、ほとんどの国民が飢餓と殺戮の恐怖から免れ、豊かな生活を享受して来ました。私たちは加害者の子孫として、戦後責任を果たすなかで、日本が相手国の韓国、朝鮮とともに「楽しくゆかいに、持続的に生きられる地球社会の創造」という目的への第一歩を踏み出し、今を生きる私たちと子孫が尊厳欲求を満たせる環境をつくるためにも先頭に立つことが必要不可欠です。

 2010年は、人類の歴史上大きな危機が迫り来る年です。それは一方では、世界のパラダイム転換への流れを生み出せる最も大きな機会が訪れていることを意味します。そのチャンスがいまです。これだけの素晴らしい大きな役割を担える時代と場所は、過去の歴史上どこにも、また未来にも有り得ません。この流れは前述のとおり、大きな危機と背中合わせです。

 韓国併合100年にあたる本年、島根県内各地にある「竹島の日」に関連した広告塔と、同県による教科書への「竹島」記述働きかけ、日本海=東海呼称問題等の対立を発展の契機とし、「和而不同」から生まれる「和譲」を旗印に、世界恒久平和のモデルをつくり、環境・健康事業の発展を通じて、新たな人類繁栄の道を拓こうではありませんか。<了> 






【和譲】
 神道を代表する言葉は「一霊四魂(幸魂さきみたま 奇魂くしみたま 和魂にぎみたま 荒魂あらみたま)」です。そのなかの「幸魂、奇魂」(愛情と知恵)は出雲大社の神語です。これから生まれる和魂(縁から生まれる感動)と、聖徳太子の「和をもって貴としとなす」から「和」をとり、大国主命の国譲り、農政家・思想家の二宮尊徳翁の「推譲」からの「譲」を組み合わせて熊野大社前宮司で出雲大社教の千家達彦管長がおつくりになった造語。
人類の特性と、グローバル化とブロードバンド、核拡散の時代の人間の条件の再定義から考察した、ジョセフ・ナイハーバード大学教授らが発表したスマートパワーを契機に、3つのソフトパワー(感情を加味した知恵、使命、会話力)と、2つのハードパワー(集団組織力、道理を実現するための方便)から全体の文脈の中で生まれる力をいう。
「楽しく持続的に生きられる社会をつくる、私がつくる」という言葉から生まれるマズローの5段階説の上位概念である自己超越実現(私益と公益の一致)、さらに荒魂(勇気と行動力)と先端技術が加わり、社会を変える力を「和譲」と定義。小松昭夫財団法人人間自然科学研究所理事長が千家管長のご賛同を得て、愛知工業大学50周年記念事業の映画「築城せよ!」の完成を機に発表した。

【和諧】
 現代中国のスローガン。2001年に江沢民氏が中国共産党創立80周年大会で「各国人民と一緒に、永久平和と繁栄する世界を建設するため努力しましょう」と表明したことから始まる。中国共産党はかつての世界革命から和諧世界創造まで、政治理念の歴史的な転換を遂げた。和諧は中国の対外戦略任務となり、紛争地帯に「いくつかの和諧地域」をつくりあげることから恒久平和、共同繁栄する和諧世界を形成するとしている。

【スマートパワー】
 ジョゼフ・ナイ教授(元国防次官補、米国有数の知日派)らが説く概念で、米国のオバマ政権で用いられるようになった。3つのソフトパワー(感情を加味した知能、ビジョン、対話力)と、2つのハードパワー(組織力、権謀術数)を「全体の文脈を踏まえて融合する力」を意味する。

【オウトピア】
 韓国の趙永植・慶煕大学校学園長が提唱した、21世紀の人類のモデル。英語oughtto(当然そうなるべき)と、ユウトピアUTOPIA(理想郷)を組み合わせた造語。「人間は何であるか、どんな存在か」「西洋哲人の理想国家論」「東洋思想家の理想社会論」を探求する中から、善義、協同、奉仕をうたうオウトピア論を提唱し、推進団体として世界各国にGCS(大協同社会)が生まれた。博士は1981年に国連を通じて「世界平和の日」「平和の年」の設定を満場一致で可決させた。


安重根義士殉国104周期追悼及び、国際交流回晩餐会の挨拶

人間自然科学研究所理事長 小松昭夫

晩餐会にて
晩餐会にて
遺家族と一緒に  前右:安義士の孫娘、後ろ左4番目曾孫さん

 皆様こんばんは。
 今日、安重根義士殉国104周期を迎える記念すべき場所にご招待いただきありがとうございました。ご招待いただきました、安慶模理事長はじめ、関係者の皆様、そして、ご臨席いただきました皆様に感謝を申し上げます。
 私は、安義士について、ここにいらっしゃる皆様ほどは勉強が出来ていないと思いますが、私なりに彼について色々と研究をしてまいりました。
 私は、安重根義士は、民族の英雄だけに止まらず人類の英雄にするべきと思います。(拍手)

 今日、韓国の朴槿恵大統領がオランダのハーグに世界核安保会議に参加されています。
 ハーグは、李儁列士が100余年前、万国会議場で世界列強に向けて、朝鮮が独立国であることを知らせようとした都市です。しかし、彼のその願望は叶わず、泊まったホテルで死体で見つかりました。その現場に李儁記念館が出来ている、韓国においては、辛い時代の歴史の現場という、意味ある場所であると認識しています。
 私は。2年前、ハーグの李儁記念館を訪問したことがあります。
 その場所でも安重根義士を世界に知らせるようにしなければならないと思い、安重根義士崇慕会の安理事長のご協力とご了解、また原本の所有者の方の了解を得て、安重根義士の遺墨『独立』の書のレプリカをハーグの李儁記念館にお渡しし、現在も展示されています。(拍手)

 また、先月は中国のハルビン駅内の安重根記念館も訪問してきました。
 そこを見に来たたくさんの人を見て、安重根義士は、ますます世界の英雄とされて行くことを確信しました。
 安重根義士は、獄中で未完成傑作『東洋平和論』を残しました。
 当時は、今のような交通手段がなかったので、もっと広い世界を見て歩くのはそう簡単ではない時代でありました。おそらく彼は『世界平和』をイメージして『東洋平和論』を書いたのではないかと思います。(拍手)

 最近のウクライナのクリミア半島の動きや、北朝鮮のミサイル発射など、今世界はとても混迷しています。
 しかし、夜が明ける前は一番暗いという話がありますように、今の時代は、人類の明るい未来が開く直前であると認識しています。それは、このような混乱をどのように活かしていくかによるものでしょう。
 これまで25年あまり、人間自然科学研究所を通じて、いろんな活動をしてきましたが、私ももうすくで古希を迎えるようになりました。
 もうそろそろ、今までの活動の花を咲かせ、実るようにしなければならない時期がきていると思いますので、皆様の応援とご協力をよろしくお願い致します。
 ありがとうございました。
 2014.3.26

感想:金美正
短い挨拶の中に、安義士に対する限りない尊敬の表明、安義士はひとつの民族の英雄ではなく、人類の英雄という表現を日本人の小松社長から聞かされて、参席の皆様はとても嬉しかったと思います。そこで烈々拍手と歓声がありました。
ハーグの『独立』の書の寄贈、ハルビン駅の記念館訪問を通じた実際の行動を聞いて、彼は本当の世界の英雄と思っていることが証明出来、これまで小松社長の活動を良く知らなかった人も強く認識出来たと思います。
100年前と現在の違いから見る安義士の東洋平和論の再評価の発言についても、大きな感銘を受けていると思いました。
人間的には70歳の古希を迎えるに当たっての気持ちを、淡々と述べましたので、これまでの活動は人類史における使命感を持って、真摯に果たそうとする気持ちで行って来たことを共感してもらえたのではないでしょうか?
通訳が終わって席に戻ったら、周りの方から社長の挨拶に「とっても感銘を受けた」という御礼をたくさん貰いました。
素晴らしいスピーチ、韓国人として感謝申し上げます。
ありがとうございました。

式典の様子
式典の様子式場の前